作曲家は何で自分の心の奥底に近いものほど弦楽四重奏のために書くのか

(心の奥底に近い=Personal&Intimateであっているのでしょうか?語彙が少なくてちょっと苦労した記事です…)

私は作曲家ではないし、あくまでも推測だけど、作曲家は自分の心の奥底に近いものほど弦楽四重奏のために書くのは、心を人に打ち明けるときは、大人数の前にするのではなく、信頼する仲間に聞いてもらいたいからだと思う。

オケだと少なくとも35人のプレイヤーはいる。楽器の種類が豊かで音色や組み合わせに限界はない。偉大な風景など、イメージが降りるまま何でも表現できる編成。でも、自分の心の奥にある気持ちは突然35人に託すこと出来ますか?

それじゃあ、一つの楽器で独奏。一人だからこそ自由に表現できる。聴く側も、風景よりは人の心を聞こえることが多い。ただ、演奏者一人だと(ピアニスト以外)メロディーはひとつ、ハーモニーが作れない。作曲家としては「楽器一台でどこまで表現できるか!」と工夫の修行みたいだと思う。心の奥底の気持ちとはそんな遊びはしたくないと思うんだ。

それじゃあ、一つのソロ楽器&ピアノ。これだとハーモニーを足せる。それに演奏者が二人がいるから、会話のような音楽もできる。でも、聞いていて、時々メロディーを聴き逃すことありませんか?楽器の音色が違うからチェロからピアノにメロディーが移るとき、気づかなかったりする。日本語で話しているのに相手がフランス語で答えるから会話についていけない。そんな感じ?

そこで、弦楽四重奏の魅力。
  • 同じ弦楽器だから音が綺麗に馴染む。仲間が背中をさすってくれるのように、他の楽器がメロディー楽器に寄り添うことが出来る。
  • 演奏者が4人いればハーモニーを成立させることができる。懐かしいお話をしているときに後ろに美しい夕焼けが見えるのように、ヴィオラやチェロがメロディーを和声で彩ることが出来る。
  • 演奏者が4人もいればメロディー、ハーモニー、リズム、ベース、全てができる。メロディーが少し怖いお話をしているとき、その風景を描くのように、他の楽器が激しいリズムや怪しいベースで雰囲気を作ることが出来る。
  • 演奏者が4人もいれば編成を減らすことも出来る。寂しいときに仲間が助けにくるのように、チェロからはじめて、少しずつヴァイオリンやヴィオラが登場するのような音楽も作れる。

弦楽四重奏以外の編成が悪いと言っているわけではない。でも多くの作曲家は晩年に弦楽四重奏ばっかり書くのは事実です。お金のためでもない。名誉のためでもない。心を打ち開く。なんのためでしょうね。

話を聴いてもらいたいという気持ちは誰にでもある。打ち開くのであれば、信頼する仲間に囲まれていたい。音楽の世界では、それが弦楽四重奏。

生徒さんががスメタナの弦楽四重奏曲第1番を課題曲にしている。スメタナがこの曲をはっきりと「わが生涯より」と副題を付けている。耳が聞こえなくなってからの作品。まだ復活することを希望しているなか、自分の人生を振り返る作品だと手紙で残した。

“As in an intimate circle of friends” 

「弦楽四重奏」と聞くとハードルが高くて、引いてしまう皆様!本当に美しい宝物が沢山あるので、ぜひ、チャンスがあれば聴いて下さい♪

最近の気に入り:スメタナ弦楽四重奏曲第1番の動画↓


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