共演して下さるピアニストを「伴奏者」と呼んでほしくない理由

コンサートの企画者が、チェロ演奏を依頼して、予算があったからピアニストもお願い出来たとする。「あくまでもチェロがメインでピアノは伴奏ですよ〜」と主張するのように、ピアニストの写真を小さくしたりするのはいいとしても、ピアニストのことを「伴奏者」と呼んで欲しくない理由は沢山ある。

1. 旋律にハーモニーが加わると、音楽が100倍と生きてくる。

基本的に一音ずつしか弾けない単音楽器の演奏者は、いくらハーモニーを表現しようとしても限界がある。ピアノのハーモニーが入るから音色の表現が出来て、演奏者がメロディーに込めている気持ちが聴衆まで伝わる。旋律が8割で伴奏者が2割みたいなものではなく、旋律が2割、ハーモニーが入ると2割x5のように、ハーモニーが旋律を生かしてくれる。白黒映画がカラー映画になったのように。

2. 旋律が伴奏に付けた方が美しく音楽を演奏する鍵となるときもある。

音楽の土台に、旋律、リズム、ハーモニーがある。曲全体の流れは旋律だけで決めるものではなく、リズムやハーモニーの変化がクライマックスに連れて行ってくれるときもある。上手なピアニストと一緒に弾くと、音楽全体の流れを把握すると同時に、旋律楽器の表現スタイルを意識して、曲を作ってもらうことが出来ます。そういうピアニストと一緒に弾く機会があると、突然自分が上手になった気がするけど、そうではなく、乗せてもらっているのです。「こっちまで歌うのよ〜」とピアニストに連れて行ってもらえるので、旋律を担当してたとしても、ピアノについて行った方が、美しい音楽になるときもある。

3. 面白いプログラムには、一つの楽器が旋律を独占するのではなく、ピアニストにも旋律を奏でる機会が沢山ある。
Beethoven_Sonata


名曲でも豊かでメリハリのあるアレンジは、色んな楽器に旋律を回すことがある。チェロ&ピアノのコンサートだと、メロディーと伴奏だけではなく、2人の演奏者が会話のような音楽を提供できる。クラシックの「ソナタ」になると多くの場合ピアノのパートの方が難しかったり、旋律が多かったりする。例えばベートーベンのチェロソナタ。ベートーベン本人が最初の2曲の題名に「チェロ伴奏付きのピアノソナタ」と書いた。ピアノは必ず伴奏楽器ではない!

Having a good pianist makes or breaks a concert.

ピアニストによって演奏は大きく変わる。そんな大事な役割の責任を持って演奏している方を「伴奏者=声楽や器楽の主奏部に合わせて、他の楽器で補助的に演奏する人」(グーグル辞書)なんて呼べない。一緒に音楽を作る共演者だから。心から尊敬している仲間だから。

Piano

チラシのデザインなどは、企画者の都合に合わせて作ってもらってもいい。でも覚えて欲しいのは、ピアニストは「伴奏」を演奏しているだけではない。私の名前の後に「チェロ」と書くと同じように、ピアニストの名前の後に「ピアノ」と書いて欲しい。

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大塚幸穂 第8回 サロンコンサート in 館山(千葉県)
〜チェロとピアノの名曲で、心やすらぐひと時を!〜

 開催日:2017年9月24日(日)
  時間:第1部(昼の部)13:30開場 14:00開演
     第2部(夜の部)18:00開場 18:30開演
  会場:
蜂の駅ひふみ養蜂園2階ホール
  料金:2,500円(ハーブティーとはちみつのお菓子付)
  曲目:サンサーンス/白鳥
     フォーレ/シシリエンヌ
     マスネ/タイスの瞑想曲
     ショパン/序奏と華麗なるポロネーズ
     ダグラス/この素晴らしき世界
     マンシーニ/ムーンリバー
     美空ひばり/川の流れのように
     モノ/愛の讃歌 他
     *曲目は変更になることがあります。
 ご予約・お問い合わせ:090-1910-0368(佐々木)
 FBイベントページ:
https://www.facebook.com/events/511903475817255/

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