朗読に音楽を合わせるタイミングと選曲

朗読の音楽を頼まれたとき、初めてだと色々戸惑う。ずっと音を出すのか、作曲しなきゃいけないのか、などなど。私はチェロ1本で音楽を付けますが、今日は、BGMではない音楽の付け方、選曲、タイミング、そして台本でのメモの仕方を紹介させて頂きます。

BGMでなくてもいい
朗読家は言葉で世界観を作るので、言葉を聞かせる静かなスペースも大事。音楽が欲しいときは、主に場面展開。違う場所の話を始めたときとか、「3年後…」とか。音楽は、今朗読された内容を表現するのではなく、これから朗読する場面を紹介する。音楽は数秒だけでも場面展開をより感動的に表現できるから、ずっとBGMを付ける必要はない。

即興ではなくもいい
普通にクラシック音楽でも朗読に合うネタは沢山ある。一曲丸ごとでなくていいので、ひとフレーズでも充分。有名なメロディーでもいいけど、意外とそのメロディーの対旋律(セカンドバイオリンが弾くようなメロディー)や間奏でも面白い。チェロやベースパートを見るとリズム系も沢山ある。クラシック曲は結構長いので、スコアを眺めると、ネタが飛び出てくる。

音楽を入れるタイミングによっての効果
場面展開:単独音楽
朗読が終わって、音楽で場面展開をして、また朗読を始める

感動を増す:途中から音楽入れる
朗読が続いている中、音楽をすっと入れて、感情を刺激する

緊張を増す:音楽を突然切る
朗読と音楽が同時に流れている中、ピタッと音楽を切って、びっくりさせる

余韻に浸る:音楽を持続する
朗読が終わっても音楽を続けて、音楽を聴きながら言葉の余韻に浸る

台本でのメモの仕方
nametokoyama

○秒 = 朗読が終わって、音楽を始める間の長さ
中 = 朗読の途中から音楽を入る
M1, M2, など = Music 1, Music 2, と使う音楽の順番
止 = 途中に音楽を切る
終 = 曲の最後まで弾く

例えば:
場面展開:3秒、M1、終
途中から入って曲の最後まで弾く:中、M2、終
場面展開、音楽を突然切って緊張を増す:3秒、M3、止
途中から入って、長く音楽を残す:中、M4、終

これらのやり方は、私の経験の中で試行錯誤しながら使うようになったものです。複雑のようで実にシンプル。シンプルのようで実に複雑。音楽にも言葉にも流れがあるから毎回本当に面白い。音楽家は言葉に憧れる。朗読家は音楽に憧れる。力を合わせると…どんな世界が広がるでしょうか?

5/19/2018 (土) 小川町の【木陰の会 〜朗読とチェロのハーモニー〜】は今度で第4回になります♪メインの作品はチェロが大好きだった宮沢賢治の「なめとこ山の熊」。是非いらして下さい!

♪〜〜〜〜関連情報〜〜〜〜♪

第4回「木陰の会」
〜朗読とチェロのハーモニー〜

2018年5月19日(土)小川町(埼玉県)
【開場】13:30 【開演】14:00-15:30
【会費】2000円(小中学生1,000円)お茶付き
【会場】岩田古民家「
やしきぼっこ」(小川町角山261)

【出演者】渡辺美英子(朗読)
大塚幸穂(チェロ)
【朗読】宮沢賢治作「なめとこ山の熊」
【チェロ独奏】
 メンデルスゾーン:春の歌
 シューマン:トロイメライ
 バッハ「チェロ無伴奏組曲」より
 宮沢賢治:星めぐりの歌、他

【アクセス】埼玉県比企郡小川町角山261 
 東武東上線小川町駅より徒歩12分 駐車場完備

【お申し込み&お問い合わせ】
 「
げんきの木」飯島敦子 
   tel: 090-9105-9607
   mail: atsukogenkinoki@gmail.com
  渡辺美英子 tel. 090-3405-1138

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